子育て世代のギモン!「自己肯定感」ってどう育むの? 実はカンタン!今日からできる言葉と関わり心のスイッチ!

子どもとの接し方で自己肯定感を高めるコツ

仁和会理事長の松屋です。
子育ては、想像以上に笑いがあって、想像以上に悩みも多いもの。このコラムでは、保育現場や家庭での日常から感じたこと、役立つ情報、ちょっとした気づきをお届けします。
子育てって本当に毎日があっという間! 可愛い我が子の寝顔に癒やされる一方で、「これで大丈夫かな?」「もっと何かしてあげられることはないかな?」って、漠然とした不安を感じることもありますよね。特に最近、「自己肯定感」という言葉をよく耳にしませんか? 「何となく大事そう…でも、具体的にどうすればいいの?」って、正直よく分からない!というパパママも少なくないはず。

今回は、保育のプロや研究結果も参考にしながら、この「自己肯定感」について、ぐぐっと分かりやすく、そして今日からすぐにでも試せる関わり方をお伝えします。子育て中の皆さんにとって、ホッと一息つけて、「よし、明日からやってみよう!」と思えるような、そんなお守り代わりの記事になったら嬉しいです。

【この記事の目次】

そもそも「自己肯定感」ってなに? なぜ、そんなに大切なの?

まず、「自己肯定感」とは一体何でしょうか?難しく考えなくて大丈夫!一言でいうと、「自分は大切な存在だ」「自分には価値がある」と、ありのままの自分を、まるっと受け入れて肯定できる心の状態のことです。

例えるなら、子どもの心の「元気メーター」みたいなものです。このメーターが満タンに近い子は、

・「自分は愛されているから大丈夫!」と安心して、新しいことにも「やってみよう!」と積極的にチャレンジできます。
・たとえ失敗しても、「次はこうしてみよう!」と前向きに立ち直る力が湧いてきます。
・自分の良いところも、そうでないところもひっくるめて、「これが自分なんだ!」と自分自身を好きでいられます。
逆に、このメーターが少ないと、「自分なんてどうせ…」と自信が持てず、失敗を恐れたり、周りの目が気になったりして、なかなか一歩を踏み出せなくなってしまうこともあります。

この「元気メーター」は、子どもがこれから生きていく上で、その子らしく輝くための、とっても大切な心の土台になる気持ちなんです。

保育の現場でも、子ども一人ひとりが一人の人間としてしっかり主体的に生きることが、自己肯定感につながると考えられています。食べること、遊ぶこと、大人やお友達とかかわること。そうした日々の経験の全てが、この土台を作る栄養になります。

この自己肯定感は、年齢に関係なく大切な気持ちです。乳幼児期に、しっかりこの気持ちを育むことは、その後の人生にも大きく影響すると言われています。

いつから育ち始めるの? 実は…「生まれてすぐ」がスタート地点!

自己肯定感って、実はものすごく小さな頃、そう、生まれたばかりの赤ちゃんの頃からもう育ち始めているんです。

意外ですか? でも、赤ちゃんの姿を想像してみると、「なるほど!」って思うはずです。

例えば、赤ちゃんが泣いたり、笑ったり、クーイング(「あー」「うー」といった声)を出したりして、一生懸命自分の気持ちを表現しますよね。それを、そばにいるパパやママ、保育士さんといった身近な大人が、「お腹すいたのかな?」「楽しいね」「何かお話ししてるのかな?」って、温かく受け止めて応答してくれる。これらの応答が「わかってもらえた!」という経験を通して、赤ちゃんは「自分の気持ちは伝わるんだ」「自分は受け入れられているんだ」と感じ、安心感や人に対する基本的な信頼感を育んでいきます。

「〇〇ちゃん!」と名前を優しく呼ばれたり、そっと抱きしめられたり、温かいまなざしで見守られたりする。こうした温かい触れ合いや愛情を感じる体験の積み重ねが、「自分は愛されているかけがえのない存在なんだ」「自分は大切にされているんだ」という感覚を、言葉にならない赤ちゃんの心にしっかりと届けます。

まさに、パパやママ、そして保育園の先生といった、特定の大人と温かい関わりや愛情を感じること(愛着、アタッチメント)が、子どもの自己肯定感を育む第一歩と言えるでしょう。この安心感が、その後の様々な活動への意欲にも繋がっていきます。

乳児期の研究からも、親や先生に受け入れられて安心すること、抱っこしてもらう心地よさ、ハイハイで近寄ると抱っこしてくれることなどが、自己肯定感の基盤となる「信頼関係」や「自尊感情」(自分は愛されているという気持ち)に関わっていると言われています。

どうすれば育めるの? 今日からできる!言葉と心のスイッチ

「自己肯定感を育む」というと、何か特別なことをしなければいけないような気がするかもしれません。でも、大丈夫! 実は、普段の生活の中で、ちょっとした声がけや関わりが、子どもの自己肯定感をぐんぐん伸ばす心のスイッチになるんです。

自己肯定感に影響を与える要因として、「親・親戚との関係」「学校での生活」「友人の有無」といった人間関係が重要であることが明らかになっています。特に「親への信頼」は大切だといわれており「良好な親子関係」は、困難な状況から子どもを守る要因として第一に挙げられています。

では、具体的にどんな関わり方が自己肯定感を育むことになるのでしょうか? いくつかご紹介しますね。

心のスイッチ①:子供の「気持ち」を丸っと受け止める!「そうだね!」「〇〇だったね」
子育てしていると、子どもが泣いたり、怒ったり、「いやー!」とぐずったり…もう、どうしてほしいの!?と頭を抱えたくなる時、ありますよねっ!?
こんな時、「もう、かんしゃく起こさないで!」「泣かないの!」と、つい制止したり、否定したりしたくなるかもしれません。もちろん、危険なことや、他人に迷惑をかけることには毅然とした対応が必要な時もあります。いったん子どもの「気持ち」に寄り添い、言葉にして受け止めてみるのが大切な関わりです。たとえば、、公園からの帰り道、そろそろ帰る時間だよ!と言っても、子どもは「いやー!」「もっと遊びたい!」と地面に寝転がって大泣き…(あるあるですね!)。こんな時、「早く帰るよ!」「いつまで泣いてるの!」ではなく、

・「そうか、もっと遊びたかったんだね」
・「ブランコ楽しかったのに、帰るの嫌だね」
・「まだ遊びたかったのに、おしまいにしなきゃいけなくて残念だよね」

と、子どもの気持ちを言葉にして伝えてみましょう。子どもは、「あ、パパ(ママ)、僕の気持ちを分かってくれた」と感じます。自分の気持ちが分かってもらえた、受け止めてもらえたという経験は、子どもの安心感に強く繋がり、自己肯定感の根っこを育んでくれます。
また、お友達との関わりの中で、おもちゃの取り合いなどでトラブルになった時、「〇〇したかったのね」と気持ちを受け止めてくれる大人の存在は、子どもにとって大きな安心になります。特にイヤイヤ期など、自分の意思を強く主張する時期には、「イヤ!」という気持ちを受け止めてもらうことが、自信にも繋がります。逆に、この時期に「聞き分けのない子」「ダメな子」と否定され続けると、「自分はダメな子なんだ」と思い込み、自己否定に陥ってしまう可能性があることも指摘されています。

心のスイッチ②:「できた!」を一緒に喜ぶ、認める、褒める!

子どもは、生まれた時から「自分でやってみたい!」という強い意欲を持っています。そして、自分で何かをやり遂げた時には、大きな達成感や満足感を味わいます。

・自分でスプーン等を使って食べようとする。
・ズボンを自分で履けた!
・積み木が崩れずに思った通りに積めた!
・「立ったー!」「歩いたー!」

こんな時、ぜひ思いっきり、「すごいね!一人でできたね!」「頑張ったね!」「よくできたね!」と、言葉にして褒めて、一緒に喜びましょう。たとえ大人から見れば小さなことでも、子どもにとっては大きな一歩だったりします。

たとえば、、初めてのズボン

「自分で!」とズボンを履こうと奮闘する子ども。ちょっと手伝いたくなるけど、ここはぐっと我慢…! よじれたり、前後ろ逆になったりしながらも、なんとか足を通して、ウエストまで引っ張り上げた!
「わぁ!すごい!〇〇ちゃん一人でズボン履けたね!頑張ったね!」と、子どもをギュッとして一緒に喜びましょう。自分でできた喜びや、周りから認められる経験は、「自分はできるんだ!」「これでいいんだ!」という自信に繋がります。研究でも、「できた」→「認めてもらえた」「喜んでもらえた」→嬉しい、という経験が「やればできる」「これでいいんだ」という自信につながるとされています。乳児期から褒めてもらう経験が多い子は、失敗しても次頑張ろうと前向きになれるという意見もあります。
また、何か新しいことに挑戦して、うまくいかなかった時、そこで終わりにするのではなく、頑張った過程や、挑戦した気持ちを認めてあげることも大切です。

たとえば、、惜しかった!

公園のうんていに挑戦! あと少しで届きそうだったけど、残念! 落ちてしまった…。「あ〜!惜しかったね!もう少しだったね!」「難しいのに挑戦して、すごいね!」「次もやってみる?」

「だめだったね」「できなかったね」と結果だけを言うのではなく、「おしい!」と次の挑戦に繋がる声かけをすることで、子どもの好奇心や意欲を消さないようにしましょう。乗り越えられる小さなハードルを与え、成功体験を積み重ねることが、「自分はどんなことでも乗り越えられる」という感覚を養うことに繋がります。

心のスイッチ③:「ありがとう」「助かるよ」で「必要とされている」を実感!

子どもは、自分が誰かの役に立てた時に、とっても大きな喜びを感じます。特に、大好きなパパママや保育士さんから「ありがとう」と言われることは、「自分は大切な存在なんだ」「必要とされているんだ」という自己肯定感を育む上で、非常に大きなパワーになります。

たとえば、、ちいさなお手伝いさん

食事の前、パパやママがエプロンやお手拭きを準備していると、子どもが「やりたい!」と手を出してきた! 積み木を片付けていたら、「ぼくも!」と一つ持ってきた!
そんな時は、「まあ、いいか」とスルーしたり、「ありがとうね〜」と適当に済ませるのではなく、具体的に感謝の気持ちを伝えましょう。

・「わあ!〇〇ちゃんがお手伝いしてくれて、ママとっても助かるよ!ありがとう!」
・「〇〇くんが積み木片付けてくれて、お部屋がきれいになったね!ありがとう!」
・「パパ(ママ)、荷物持っていくね!」と言って、自分で荷物をもって、お部屋まで運んだ。→「ありがとう助かるよ!」

「あたりまえ」に思えるような小さな手伝いでも、「ありがとう」「助かるよ」を伝える。この積み重ねが、子どもに「自分は家族の一員として役に立っている」「自分は必要な存在なんだ」という実感を与え、「自分は周りから愛されている」という自尊感情を育みます。最初はお願いされてやっていた手伝いも、こうした経験を積むことで、自分から手伝いをするようになっていく可能性も示唆されています。

手伝い活動に関する研究では、特に異年齢の子どもがいる環境で、年上の子が年下の子に手伝いを教えたり手本を見せたりすることで、頼りにされる感覚やリーダーとしての自覚が生まれ、それが自分の存在への自信に繋がることが示されています。また、頑張りが見えにくい子には、シール表などで頑張りを「見える化」したりする工夫も、達成感や自信に繋がる場合があります。

心のスイッチ④:温かい眼差しと環境で見守る

子どもが何か夢中になっている時、温かいまなざしで見守ることも、とても大切です。あれこれ口を出したり、先回りして手を出したりするのではなく、子どもが主体的に活動する姿を尊重し、見守ることで、「この環境は安全だ」「ここでなら安心して好きなことができる」という気持ちが育まれます。保育所保育指針解説でも、子どもが安心して様々な人と関わる状況や、興味をもった好きな遊びが実現できる環境、心ゆさぶる魅力ある環境、落ち着いてじっくり遊べる環境が、情緒の安定や自己肯定感の育みに重要であることが示されています。家庭でも、子どもが安心して過ごせる居心地の良い空間や雰囲気作りは、心の安定に繋がります。

一緒に楽しむ!豊かな体験や感想を共有する!

子どもが何か新しい発見をしたり、感動したり、面白いと感じたりした時、その気持ちをパパママも一緒に共有することは、子どもの意欲や自信を育むことに繋がります。

・絵本を読んでいて、子どもが面白い場面で笑ったら、一緒に笑う。
・公園で虫を見つけて嬉しそうにしていたら、「わあ!大きいね!どんな虫かな?」と一緒に覗き込む。
・歌に合わせて踊っていたら、一緒に体を動かす。

喜びや感動を人と共有する経験は、子どもが「もっとやってみよう」「もっと知りたい」という気持ちを持つことにつながります。絵本や歌、自然との触れ合い、食事、遊びなど、日常の中にある様々な体験を、子どもと一緒に楽しむ時間を大切にしましょう。これは、子どもの感性や表現力、思考力、探求心を育むだけでなく、パパママ自身も一緒に楽しむことで、子育ての喜びを再確認できる時間にもなります。また、様々な個性を持った人と関わる経験や、文化や伝統に触れる経験も、子どもの視野を広げ、多様性を認め、社会とのつながりを感じる上で大切な体験となります。親戚や地域の人々との交流、地域行事への参加などを通して、子どもに多様な人や文化に触れる機会を提供できると良いですね。

心のスイッチ⑤:ありのままの「自己表現」を受け止める

子どもは、言葉だけでなく、泣いたり、笑ったり、体を動かしたり、様々な方法で自分の気持ちや内面を表現します。時には、大人から見ると分かりにくかったり、乱暴に見えたりする表現もあります。例えば、お友達に思いが伝わらず、おもちゃを取ろうとして手が出てしまった。うまく言葉にできず、悔しくて泣いてしまった。

こんな時、頭ごなしに叱るのではなく、まずは子どもがなぜそのような行動をとったのか、どんな気持ちだったのかに目を向けて、子どもの表現そのものを受け止める姿勢が大切です。

「〇〇したかったんだね」「悔しかったんだね」と気持ちを代弁したり、「貸してって言ってみようか」「一緒に遊びたいって言ってみようか」と、言葉で伝える手助けをすることで、子どもは自分の気持ちを表現すること、そして相手にも気持ちがあることに気付き、言葉でコミュニケーションすることの楽しさを学んでいきます。

自分の気持ちを表現し、それが受け止められる経験は、子どもが自分の存在を実感し、充実感を得ることに繋がります。泣いても受け止めてもらえる経験を通して、「私は泣いても大丈夫!」と思えるようになるという研究結果もあります。

パパママ自身の「自己肯定感」も大切!

子育ては、本当に感動の連続ですが、同時に悩みも尽きず、時にはへとへとになったり、「自分はダメな親だ…」と自信を失ってしまったりすることもありますよね。

子どもの自己肯定感には「関係的要因」つまり、親子の関係性も大きく影響すると言われています。両親の仲が悪いと子どもが十分な安心感を得られない可能性も指摘されています。これは、パパママ自身の心の状態や、家庭の雰囲気が、少なからず子どもに影響を与える可能性があるということです。

だからこそ、子育てを頑張っているパパママ自身も、どうか自分を責めすぎないでください。「今日も子どもと笑って過ごせたな」「朝ご飯、ちゃんと食べさせられたな」「絵本を一冊読んであげられたな」…どんなに小さなことでも良いんです。今日の自分を褒めて、労ってあげてください。小さな成功の積み重ねが、自分の良いイメージを定着させることに繋がります。

自分自身の「自己肯定感」を高めるための工夫も、ぜひ試してみてください。

・お気に入りの子どもの写真や可愛いものを飾って、目に入るたびにホッとしたり、子どもの成長を思い出したりする。
・寝る前に、今日あった「よかったこと」「できたこと」「うまくいったこと」を3つ書き出す「成功日記」をつけてみる。
・自分の好きな趣味を持つ。

パパママが自分自身を大切にし、満たされた気持ちでいることは、きっと子どもの安心感にも繋がり、温かい家庭の雰囲気を作る土台になります。

保育園・こども園との連携も力になる!

もし、お子さんが保育園やこども園に通っているなら、ぜひ先生方との連携も大切にしてください。保育所は、養育者だけでなく、子どもの自己肯定感を育む上で重要な役割を担っています。

保育所保育指針解説にも、保育所は保護者と連携して子どもの育ちを支え、共に喜び合うことを重視することが明記されています。先生方は、お子さんの園での様々な姿を見ています。家庭での様子と園での様子を伝え合い、お子さんの育ちについて共通理解を図ることは、お子さんへのより一貫した、そしてその子に合った関わり方を見つける心のスイッチになります。

送迎時のちょっとした会話や連絡帳、個人面談などを通して、積極的に情報交換をしてみてください。先生方も、保護者の皆さんの状況や思いを理解し、子育てを応援したいと思っています。一人で抱え込まず、園の先生方という、頼れる専門家と一緒に、お子さんの成長を喜び合っていきましょう。

まとめ:日々の小さな積み重ねが、子どもの未来を輝かせる!

子どもの自己肯定感は、特別なプログラムではなく、日々の温かい関わりや、小さな成功体験の積み重ねによって育まれます。

・子どもが表現する「気持ち」を、まずは言葉にして受け止める。
・自分で「できた!」ことを、全力で一緒に喜び、頑張りを認める。
・お手伝いなどをしてくれた時に、「ありがとう」「助かるよ」を具体的に伝える。
・子どもが夢中になっている姿を、温かいまなざしで見守る。・日常の中の様々な体験を、子どもと一緒に楽しむ。
・言葉だけでなく、ありのままの「自己表現」を受け止める。

これらの言葉と関わりを、ぜひ今日から意識してみてください。完璧を目指す必要はありません。忙しい毎日の中で、できることから、できる範囲で大丈夫です。

子どもの「元気メーター」をいっぱいにしてあげることは、これから色々なことにチャレンジし、自分らしく輝いて生きていくための、何よりのプレゼントになります。そして、子育てを頑張る自分自身も、どうか大切に、そしてたくさん褒めてあげてくださいね。応援しています!

今日のコラムが、少しでも心の荷物を軽くしたり、新しい視点のヒントになればうれしいです。

次回もぜひ読みに来てくださいね。
仁和会 理事長 松屋