
仁和会理事長の松屋です。
子育ては、想像以上に笑いがあって、想像以上に悩みも多いもの。このコラムでは、保育現場や家庭での日常から感じたこと、役立つ情報、ちょっとした気づきをお届けします。
新米ママさんたち、赤ちゃんに夜間の授乳、本当にお疲れ様です!夜中に何度も起きるの、睡眠が細切れになってつらいですよね。この記事では、赤ちゃんの成長にとって夜間授乳がいつまで必要なのか、間隔や回数の目安を、助産師さんの解説や研究情報をもとに紹介していきますね。
子育てはママが一人で抱え込む必要はありません。家族みんなで育児をラクにする方法を一緒に探すことが、大切なんです。
【この記事の目次】
夜間授乳がママの睡眠に与える影響と育児の不安

授乳中のママが一番気になるのは、やっぱり自分の睡眠がしっかり取れているかどうか、という点ではないでしょうか。夜中に授乳のために何度も起きる生活は本当につらいですよね。
ある研究では、生後3、4ヵ月の赤ちゃんを持つママの睡眠について調べた情報があります。ママの夜間睡眠時間は平均で約351.5分(約5時間51分)、睡眠効率は80.0%という状態で、これは睡眠不良にあたるとされています。
夜中にママが起きる中途覚醒時間のうち、約半分が授乳に充てられていた!という結果も出ています。ママの睡眠が削られてしまうと、育児に対する不安やストレス、心配も増えてしまいますよね。
特に、育児ストレスについて注目したいポイントがあります。ママが育児ストレスを強く感じるのは、夜間授乳の回数や合計時間ではなくて、「1回あたりの平均授乳時間が長いとき」だということが分かっています。つまり、夜間に赤ちゃんが欲しがるたびに授乳を長く続けていると、「ママ、つらい…」と感じる可能性が高い、ということなんです。このポイントは、後で授乳の方法を紹介する際に大切になってきます。
産後ママの休息は育児を続ける上で必要不可欠

30代のママさんたち(養育者の63.4%が30代です)、子育ては本当に大変な時期ですが、ご自身の体のケアをすることも大切です。ママが笑顔でいるためには、短時間でも自分のペースで過ごせる時間が必要です。30分でも1時間でも、子どもを預けてリフレッシュすることは育児放棄ではありません。家族や外部の相談窓口をしっかり利用して、ママが眠れる”環境を整える”ことが、育児を長く続けていくための大切なポイントです。
新生児の夜間授乳:間隔の目安と大切なポイント

新生児の授乳は、赤ちゃんの成長とママの母乳分泌にとって、とても大切な時期です。夜間の間隔は、いつから長く間隔をあけても大丈夫なの?と心配になるママも多いですよね。
新生児期の夜間授乳は3時間以内が目安
助産師さんによる解説では、新生児の授乳間隔は、最低でも3時間以内でおっぱいを吸わせてあげてほしいと言われています。
● 3時間なら、ぎりぎりOK。
● 4時間や5時間空いてしまうのは、新生児にとって好ましくない状態です。
● 1時間毎や2時間毎といった、短い間隔での授乳はむしろ大歓迎です。
これは、赤ちゃんの体がまだ小さく、一度に飲める量に限りがあること、そして母乳の分泌をしっかり軌道に乗せるために、頻繁な刺激が必要だからです。母乳は回数をこなして吸わせることが大切なんです。
ミルクの量と授乳間隔の関係
もし、夜間にミルクを足していて、授乳間隔が3時間以上空いてしまう場合は、ミルクをあげすぎている可能性があります。ミルクを足す方法をとっているママは、赤ちゃんが夜中に泣いて欲しがるぐらいに、ミルクの量を少し減らす方法を模索してほしいと言われています。新生児期の赤ちゃんの成長のためには、母乳分泌を促すために、おっぱいを吸う回数を多くすることが大切なんです。
月齢別:夜間授乳の回数と間隔の変化(生後3, 4ヵ月の赤ちゃん)

赤ちゃんは月齢とともに成長し、夜間授乳の間隔や回数も変化していきます。
生後3, 4ヵ月:中途覚醒が多い時期
生後3、4ヵ月の乳児の夜間の状態を見ると、中途覚醒回数は平均で17.2回と、多い結果が出ています。この時期の赤ちゃんは、夜間にたくさん起きるのが生活のリズムの一つなのです。この時期は、赤ちゃんの発達において、首がすわる、寝返りを始める、ひとり座りの前期(支え座り)が始まるなど、体の成長が著しい時期です。昼間に新しい刺激や発達があるため、夜の眠りにも変化が出る可能性があります。
夜間間隔を長くする目安
夜間授乳の間隔を少しずつ減らす時期や回数は、赤ちゃんの体重増加や発達の状態によって個人差が大きいです。目安としては、生後期の体重増加がしっかり確認できたら、夜間に無理に起こして授乳する必要性は減らすことができます。夜間に起きる回数を減らすためには、昼夜の区別をしっかりつけることが大切になります。
母乳とミルク別の夜中の授乳の考え方

夜間授乳の方法や間隔についての考え方は、母乳育児かミルク育児かによって、ポイントが別になります。
母乳育児のママへ:回数の大切さ
母乳は、赤ちゃんに吸われることで分泌量が増えていきます。新生児期や産後期は、夜中でも授乳回数を多くすることで、乳腺が刺激され分泌が安定しやすくなります。夜中に間隔が空いてしまうと、乳腺炎の症状や痛みが出る可能性もあります。母乳育児を続けたいママは、夜間でもおっぱいをあかちゃんの前に出し、赤ちゃんが欲しがるタイミングで飲ませてあげることが推奨されています。
ミルク育児のママへ:量の目安と体内時計
ミルクの量は、生後12日頃を目安に、1回あたり120cc(生まれた日数+10cc)で、1ヶ月健診までその量を目安とすることが推奨されています。ミルク育児の場合、夜間に授乳間隔を長くとりやすいはずですが、新生児期に3時間以上空いてしまう場合は、ミルクの量が多すぎる可能性があるため、相談しましょう。昼夜の区別は、体内時計を整えることにも繋がります。夜中の授乳時は、刺激を少なくし、寝る環境を整えることが大切です。
夜間授乳を少しずつ減らすための方法(寝かしつけと睡眠時間)

夜間授乳の回数を少しずつ減らす方法は、ママの睡眠と赤ちゃんの成長にとって大切です。いつ始めるかの時期は個人差がありますが、赤ちゃんの体重がしっかり増えている状態で始めるのがおすすめです。
昼間にしっかり飲ませて夜に備える
夜間授乳を減らすためのポイントは、日中の授乳をしっかり行うことです。日中にたくさん飲む習慣をつけることで、授乳間隔を長くできる可能性が高まります。
● 昼間、赤ちゃんがぐっすり眠っていて授乳間隔が空きすぎる場合は、夜間に備えてしっかりと起こして飲ませてあげましょう。
● 遊びなどを通じて日中の活動量を多くして、体を動かす習慣をつけましょう。
また、寝かしつけの方法を工夫することも大切です。授乳で眠る習慣から、寝る前に授乳を終える方法へ変化させていく時期も必要です。
赤ちゃんが先に起きるタイミングを確認
夜中に赤ちゃんに授乳するとき、ママの睡眠効率を高く保つためのポイントがあります。研究によると、夜間の授乳時に、赤ちゃんが泣いて欲しがってママが起きる方が、時間を決めてママが赤ちゃんを起こして授乳する方法よりも、ママの睡眠効率が高くなる傾向があることが示されています。つまり、夜中に何度も目が覚めてしまうママが、無理に時間を決めて赤ちゃんを起こして授乳する方法よりも、赤ちゃんが泣いたり欲しがったりするタイミングを待ってから授乳する方法を試すと、ママがしっかり睡眠できる可能性が高まります。
乳腺炎や痛みのトラブルを避けるためのケア

夜間の授乳間隔が長くなりがちな時期にママが心配するのが、乳腺炎やおっぱいの痛みといったトラブルです。夜中に授乳を減らす時期には、母乳の分泌が多いママは乳腺炎の症状(痛みや腫れ)が出る可能性があります。乳腺炎の状態を避けるためには、夜間に少しだけ搾乳してケアを行う方法がおすすめです。ただし、搾乳しすぎると分泌が増えてしまう可能性もあるため、痛みを減らすための量に留めることが大切なポイントです。もし痛みや症状が続く場合には、助産師や専門家への相談をしっかりと行いましょう。
授乳の時期の変化:離乳食と昼夜のリズム

離乳食スタート!栄養と夜間の眠りの関係
離乳食は、生後5、6ヵ月頃から始めるのが目安です。赤ちゃんが離乳食に興味を示し始めたら、大切な成長のサインです。離乳食を適切な時期に始めることは、赤ちゃんの成長に必要な栄養を補うために大切です。特に、ビタミンD欠乏の予防にも関連しており、重要な生活・食事習慣指導の一環です。離乳食が進むにつれて、日中にしっかりと量を食べる習慣がつけば、赤ちゃんが夜間に空腹で起きる必要性を減らすことができます。栄養摂取の主体が授乳から食事へ変化していく時期の目安は、離乳食完了期(12~18ヵ月頃)です。この時期の食事の固さは、歯ぐきで噛める肉団子くらいが目安となります。この頃には、鉄が不足しやすい時期となりますので、赤身の魚や肉、レバーを食事に取り入れる工夫も大切です。
昼夜のリズムと体内時計を整える方法
夜間授乳の間隔を長くするために、赤ちゃんにしっかり習慣をつけてあげることが大切です。そのカギとなるのが、昼と夜の区別をしっかりとつける生活リズムを作ること。
人間の体内時計は、毎日少しずつずれてしまうため、朝にリセットして調整してあげる必要があります。時計の針を合わせるように、赤ちゃんの生活リズムを意識して整えてあげましょう。
● 朝日を浴びることで、体内時計がリセットされて昼夜の区別がしっかりつきます。
● 寝る時間を決めたり、生活リズムを整えることで夜の睡眠を安定させることに繋がります。
昼間は活動的に!夜は静かに!昼間と夜でメリハリをつけることが、夜の眠りを深くする大切なポイントです。昼間は外遊びなどを取り入れ活動的に過ごすことで、夜の眠りが深くなります。夜は照明を落として静かな環境にすると、赤ちゃんの体内リズムが整いやすくなります。
夜間の授乳時間を短くするポイント

ママの育児ストレスと関連が深いとされる、1回あたりの授乳時間を少し減らすためのポイントを紹介します。昼間と夜間の授乳時間は強い関係性があるため、日中から授乳の方法を見直すことが大切です。
授乳のコツ:短時間でしっかり飲ませてママも休息!
夜中に授乳をするのはママもそうですが、赤ちゃんも眠いので、飲む力が弱いことも多くあります。ママが育児ストレスを強く感じるのは、夜間授乳の回数や合計時間よりも、1回あたりの平均授乳時間が長い時、だという点が指摘されているように、夜に赤ちゃんがお腹がすいて母乳やミルクを欲しがるたびに授乳を長く続けていると、ママがつらいと感じてしまうということです。
だからこそ、夜間の授乳は短時間でしっかり終わらせることが、ママの睡眠を守るための大切なミッションになります。
● 飲める姿勢と環境を確認する
新生児の時期は、赤ちゃんがおっぱいをしっかりと深く咥えること自体が難しく、ママが大変になる時もありますが、ここが大切なポイントで深く咥えさせることで、赤ちゃんは効率よくたくさんの量を飲むことができます。そこで、赤ちゃんがおっぱいを深く咥えているか確認しましょう。咥えが浅いと、飲む力を無駄に使ってしまい、時間ばかりかかって、ママの疲労にもつながります。
● ダラダラ飲ませず時間を決める
夜中の授乳が長時間に及ぶと、ママの睡眠が削られてしまいつらいですよね。授乳の時間は〇分!など決めて、赤ちゃんにメリハリをつけてしっかり飲んでもらう方法を試すのもおすすめです。
● 刺激を少なく、寝るリズムを優先する
夜間の授乳は、昼間とは別の方法で対応しましょう。夜は授乳を睡眠と結びつける大切な時間です。夜間は刺激を少なくして、飲んだらすぐに寝るように意識することが大切です。照明はなるべく暗くし、赤ちゃんとの会話や遊びも控えるようにしましょう。
夜間断乳をいつ始めるかの相談と目安

夜間授乳をやめる、いわゆる夜間断乳の時期は、いつにすべきか迷いますよね。授乳をやめるタイミングは、赤ちゃんの成長状態とママの体の状態を総合的にみて判断します。
1歳頃が目安の理由
一般的に夜間の栄養必要性が減る時期として、離乳食がしっかり進み、日中の食事で必要な量の栄養が摂れるようになってくる1歳頃を目安とする家庭が多いです。 また、赤ちゃんが夜間に長く眠ることが多くなる時期でもあります。夜中に起きる回数が減ることで、ママも睡眠を確保しやすくなります。
始める前の相談と準備
夜間断乳を始める前には、必ずかかりつけの医師や助産師に相談して、赤ちゃんの体重や発達状態を確認することが大切です。体重の増え方が少なかったり、離乳食が進んでいない場合は、時期を少し遅らせる必要があります。
● 昼間にたくさん体を動かして生活リズムを整える。
● 寝る前の授乳は寝かしつけ目的ではない方法に変化させる。
● 夜中泣いた時に授乳以外の方法で対応する家族の協力体制を確認する。
夜間断乳は、ママと赤ちゃんの体だけでなく、心にも変化をもたらします。不安や心配を感じたら、家族や助産師などに相談して情報を得ることが大切です。
家族で育児をラクに!ママが眠れる環境の大切さ

最後に、夜間授乳の間隔を減らしていく育児期において、家族全員が笑顔でいるための大切なポイントをまとめます。育児は家族の生活における大きな変化です。現代の子育ては、ママが孤立し不安や心配を抱えやすい状態にあります。家族全員が「共育て」の意識を持つことが必要です。パパは、家事や育児にしっかり参画することで、ママの心の負担を少しでも減らして、夜間にママが眠れる時間を作るために、夜中に赤ちゃんが起きる時の寝かしつけをパパが担ったり、搾乳した母乳やミルクをあげる回数を分担するなどの方法を家族で相談しましょう。
ママがリフレッシュできる時間を意識的に作り、心のケアを大切にしてください。夜間授乳の間隔は、赤ちゃんの成長や月齢、発達に合わせて変化します。目安や回数はあくまで情報として捉えて、個人差を大切に、家族で一番続けやすい方法を探すことが、大切な育児のポイントです。
今日のコラムが、少しでも心の荷物を軽くしたり、新しい視点のヒントになればうれしいです。 次回もぜひ読みに来てくださいね。
仁和会 理事長 松屋哲雄





