赤ちゃんのハイハイ、いつから?練習方法や原因、時期目安、注意点を解説

仁和会理事長の松屋です。
子育ては、想像以上に笑いがあって、想像以上に悩みも多いもの。このコラムでは、保育現場や家庭での日常から感じたこと、役立つ情報、ちょっとした気づきをお届けします。

お子さんの成長のことで「これで大丈夫かな?」とちょっぴり不安になったり、日々奮闘されている方もいらっしゃるかもしれませんね。保育園でも、お子さんたちの成長を日々近くで見守りながら、たくさんの発見と感動をもらっています!

特に、赤ちゃんの「ハイハイ」は、成長の大きな一歩ですよね。「うちの子はいつからハイハイするんだろう?」「ハイハイしないけど大丈夫?」と気になるママさん、パパさんもいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は、赤ちゃんのハイハイについて、その意味や大切な役割、そしてご家庭でできるサポート方法をお伝えしていきますね!赤ちゃんの成長は一人ひとり個性があって、本当に神秘的で素晴らしいものですから、どうぞ安心して、お子さんのペースを大切に見守ってあげてくださいね。

【この記事の目次】

ハイハイってどんな動き?その大切な役割

「ハイハイ」と一口に言っても、実は様々な動き方があるってご存知でしたか?ハイハイとは、一般的に手のひらと膝下を床に付け、お腹を床に付けずに前進する移動方法を指します。これは、赤ちゃんの発達過程において、とても重要な通過地点の一つなんです。

ハイハイには、いくつかの段階や種類があります。

  • ずりばい:お腹を床につけた状態で移動する動きです。
  • 四つ這い:両手と両膝を床につけて移動する、いわゆる「はいはい」の代表的な姿勢です。
  • 高這い:膝を床に付けずに、ひじと膝を伸ばした姿勢で移動する、よりダイナミックな動きです。

これらのハイハイの動きを通して、お子さんは全身の筋力をバランス良く育みバランス感覚を養っていきます。特に、股関節の形成にも大切な役割があると言われています。それぞれの動作は一見同じように見えても、発達段階ごとに異なる運動機能を発達させているんです。

赤ちゃんがハイハイを始める平均時期は?

「うちの子はいつからハイハイを始めるのかな?」と心待ちにしているママさんも多いですよね。

厚生労働省の乳幼児身体発育調査によると、多くの赤ちゃんは生後7~9か月の間にハイハイが始まると報告されています。具体的には、この調査では以下のようなデータが出ています。

  • 生後07~08か月:51.1%の赤ちゃんがハイハイを開始
  • 生後08~09か月:75.4%の赤ちゃんがハイハイを開始
  • 生後09~10か月:90.3%の赤ちゃんがハイハイを開始

でも、これはあくまで「平均的な目安」です。お子さんによって成長のペースは様々なので、これより前に始める子もいれば、もう少しゆっくりな子もいます。どうぞ焦らず、お子さんのペースを温かく見守ってあげてください。

ハイハイまでの運動発達段階と、しない子の見守り方

赤ちゃんがハイハイを始めるまでには、いくつかの大切な運動発達の段階があります。これらの段階を経て、赤ちゃんは少しずつ体、手足を上手に動かせるようになり、行動範囲も広がっていきます。

主な発達段階は次の通りです。

  1. 首のすわり:生後4~5か月頃。仰向けから両手を持って起こした時に、頭が遅れずについてくる状態。
  2. 寝返り:生後6か月頃。仰向けからうつ伏せに自分で姿勢を変えられるようになります。
  3. ずりばい:生後7か月頃。うつぶせでお腹を床につけたまま、前進して移動します。
  4. ハイハイ:生後8~9か月頃。手と膝を使って移動できるようになります。
  5. つかまり立ち:生後10か月頃。何かにつかまって、一人で立ち上がれるようになります。
  6. 伝い歩き:つかまり立ちの姿勢で、家具などをつたいながら移動します。
  7. 独立歩行:1歳過ぎ。物につかまらずに、2~3歩歩けるようになります。

「うちの子、なかなかハイハイしないんだけど大丈夫かな?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんね。ハイハイの開始時期には個人差がとても大きいんです。厚生労働省の調査でも、約10%の赤ちゃんは9~10か月以降にハイハイを始めることが示されています。中には、ハイハイをせずにいきなりつかまり立ちや伝い歩きを始める赤ちゃんもいます。ハイハイは発達の大切な過程ではありますが、一時的に飛ばしてしまうことがあっても、それが必ずしも異常なことではないので、安心してください。

また、出生時の体重が2,500g未満の低出生体重児や、37週未満の早産児は、運動発達への影響の可能性があるため、調査対象から除外されることがあります。ただし、これらの要因だけで運動発達の遅れが完全に説明できるわけではないことも示唆されています。過去の研究では、歩行器などのさまざまな育児用品の使用が、ハイハイの経験を妨げる要因となる可能性も指摘されています。

大切なのは、お子さんが早い、遅いではなくそれぞれのペースで、無理なく次のステップへと進んでいく姿を見守り、必要に応じて適切なサポートをしてあげることです。

赤ちゃんのハイハイを促す遊びと環境づくりの工夫

お子さんのハイハイを優しくサポートしてあげたい、という気持ちはよくわかります。ご家庭でできる、遊びを通じた工夫をいくつかご紹介します。

  • うつ伏せ遊びをたくさん取り入れる:ハイハイをするための大切な準備期間として、うつ伏せの姿勢で過ごす時間を増やしてあげましょう。首や背中の筋力がつき、視界が広がることで、赤ちゃんの「動きたい」という気持ちを育むことができます。
  • 安全な環境を整える:赤ちゃんが自由に体を動かせるスペースを確保してあげましょう。床に危険なものが置いていないか、定期的に確認することが大切です。必要であれば、柔らかいマットやクッションを敷いてあげると、安心して体を動かせますね。家庭内で自由に這うスペースが広い家庭の子どもは、ハイハイが促進される可能性があります。
  • 興味を引くおもちゃを活用:赤ちゃんの少し先に、興味を引くようなおもちゃを置いてみましょう。「あれに触りたい!」「あれを取りたい!」という気持ちになって、自然と手を伸ばし、ハイハイの動きにつながることがあります。
  • 親も一緒にハイハイしてみる:ママやパパが楽しそうにハイハイしている姿を見せてあげるのも良い刺激になります。赤ちゃんは大人の真似っこが大好きですから、一緒に遊ぶ感覚で取り組んでみてくださいね。
  • 「おいで」と優しく呼んであげる:赤ちゃんが遠くにいる時に、優しく名前を呼んで「おいで」と手を広げて待ってみましょう。ママやパパの元へ行きたいという気持ちになって、体を動かすきっかけになることがあります。

ハイハイの各動作は、それぞれ異なる運動機能を発達させると言われています。焦らず、無理せず、それぞれの子のペースで様々な動きを試せる環境を整えてあげてください。

ハイハイ中の安全対策と注意点

赤ちゃんがハイハイを始めると、行動範囲がぐんと広がり、好奇心旺盛にあちこちを探索し始めますよね。それに伴い、家庭での安全対策がとても重要になってきます。

赤ちゃんが安全に自由に動き回れるように、次の点に注意して環境を整えましょう。

  • 床の危険物チェック:床に落ちている小さなもの(電池、薬、コイン、文房具、おもちゃの部品など)は、赤ちゃんが口に入れてしまう可能性があります。こまめに床を掃除して、手の届く範囲に危険なものを置かないようにしましょう。
  • ベビーゲートの設置:階段やキッチン、お風呂場など、赤ちゃんにとって危険な場所にはベビーゲートを設置して、立ち入りを制限して、行けないようにしましょう。
  • 家具の角やコンセントの保護:家具の尖った角にはクッション材をつけたり、コンセントにはカバーを取り付けたりして、思わぬケガを防ぎましょう。
  • 不安定な家具の固定:テレビ台や棚など、赤ちゃんがつかまって立ち上がった際に倒れる可能性のある家具は、壁に固定するなどの対策を取りましょう。
  • 誤飲・転倒防止:洗剤や化粧品、タバコなど、お子さんの口に入ると危険なものは、必ず!赤ちゃんの手の届かない場所に保管してください。ハイハイ中はもちろん、歩き始めの頃も転倒はよく起こります。物を持って歩く時の方が転倒が少ないという報告もありますが、日用品や衣類、おもちゃなど、お子さんが運搬する物にも注意してあげてください。

余談ですが、ハイハイ中だけではなく、赤ちゃんの体調も注意を払いましょう。乳幼児は疾病に対する抵抗力が弱く、容態が急変しやすいです。例えば、RSウイルスは乳幼児期、特に1歳未満で重篤な症状を引き起こすことがあるため注意が必要です。小さく生まれたお子さんや、心臓や肺に基礎疾患がある場合は、重症化のリスクが高いと言われています。また、細菌性髄膜炎のような重い病気も乳幼児期に発症することがあり、早期の治療開始が予後を左右するため、注意深い観察が大切です。

ハイハイ期間の長さと歩行への移行

ハイハイの期間は、赤ちゃんによって様々です。ある研究では、ハイハイの平均継続期間が約4.5カ月という結果が出ています。一方で、1カ月未満の短い期間しかハイハイしなかった赤ちゃんも14.7%いたという報告もあります。

ハイハイから「歩行」への移行も、一人ひとりプロセスが異なります。

  • 歩行を開始するまでの移動運動として、ずり這いと四つ這いを経験して歩き始める乳児が53.7%と最も多いです。
  • 次に多いのは、ずり這い、四つ這い、高這いの全てを経験して歩き始める乳児で22.4%でした。
  • 中には、四つ這いを経験せずに歩行を開始した乳児が14.7%おり、ずり這い、四つ這い、高這いのいずれも経験せずに歩き始めた乳児も11.1%存在しました。

歩行開始直前の姿勢を見てみると、ソファーやテレビ、キャビネットなどの垂直な面に手をかけて立ち上がってから歩き始める場合と、座位などの床に近い姿勢から立ち上がって歩き始める場合がほぼ半分ずつの割合で報告されていて、床に近い姿勢から歩き始める場合は、おもちゃや日用品を触ったり、四つ這いの姿勢で物を動かしたりする様子が見られます。また、物を手に持って歩く「運搬」の行動は、床に近い姿勢から歩き始める際により頻繁に見られ、物を持つことが歩行のきっかけの一つになるとも考えられています。

歩き始めの頃は、短時間に短い距離を往復するような歩行が多く、つかまっても動かない物の周辺で歩くことが多く見られます。赤ちゃんの歩行の多様性には、家庭の環境や家族構成なども影響を与える可能性があります。お子さんの成長を慌てずに見守り、様々な動きを経験させてあげることが大切です。

発達に関する不安と相談先

子どもの成長の過程で、「もしかして、うちの子は他の子と違うのかな?」「発達のことで気になることがあるけど、どこに相談したらいいんだろう?」といった不安を感じることは、決して珍しいことではありません。

赤ちゃんのハイハイの開始時期や発達の進み方には、大きな個人差があります。先ほどもお伝えしたように、ハイハイをしないまま次の段階に進む子もいますし、それぞれのペースを尊重することがとても大切です。

もし、お子さんの運動発達やその他の発達に関して気になることがあれば、どうぞ一人で抱え込まずに相談してください!!

  • 保育園、こども園:通っている保育園や子ども園で、子育てや成長のプロフェッショナルである保育士さんに気軽に相談してみましょう。
  • 乳幼児健診:定期的に行われる乳幼児健診では、お子さんの発達の様子を専門家が評価し、アドバイスをくれます。気になることがあれば、この機会に積極的に相談してみましょう。
  • 小児科医:かかりつけの小児科医は、お子さんの成長を長期的に見守ってくれる心強い存在です。発達のことで心配なことがあれば、まずは相談してみるのが良いでしょう。
  • 保健師:地域の保健センターにいる保健師さんも、育児に関する様々な相談に応じてくれます。電話相談や訪問、地域の子育て広場などで気軽に相談できることが多いですよ。
  • 地域の子育て支援拠点:新潟市にも、子育て中の親子が気軽に集まり、交流したり、子育てに関する相談ができる場所があります。専門のスタッフが常駐しているので、話を聞いてもらうだけでも気持ちが楽になるかもしれません。

お子さんのハイハイは、成長の喜びと同時に、新しい発見と学びの連続です。その一歩一歩が、お子さんの未来を豊かにする大切な経験になります。保育園も、お子さんの健やかな成長を、支えて応援していきたいと心から願っています。

安心して子育てを楽しめるように、いつでもサポートしていきたいと思っています。お子さんの「できた!」を一緒に喜び、ちょっとした「どうしよう?」も一緒に考えていきましょう!

今日のコラムが、少しでも心の荷物を軽くしたり、新しい視点のヒントになればうれしいです。

次回もぜひ読みに来てくださいね。
仁和会 理事長 松屋