
仁和会理事長の松屋です。
子育ては、想像以上に笑いがあって、想像以上に悩みも多いもの。このコラムでは、保育現場や家庭での日常から感じたこと、役立つ情報、ちょっとした気づきをお届けします。
小さくて愛らしい赤ちゃんですが、体温の調節がまだ未熟なため、「これで熱が高いのかな?」「測り方が正確じゃなかったらどうしよう」と心配になる時は多いですよね。特に、抱っこしている腕や首の温度を感じると、「熱い気がするけど、平熱が高いって聞くし…」と悩みは尽きません。この記事では、新生児期から1歳前後の赤ちゃんの体温管理について、基礎知識から医師に相談する目安まで、知ると安心できる情報を紹介します。大切な赤ちゃんの体を守るためのコツを一緒に探していきましょう。
【この記事の目次】
新生児や赤ちゃんの体温はなぜ高いの?調節機能の基礎知識

赤ちゃんの体温は、私たち大人より少し高いのが平熱だと言われています。この違いは、新生児や乳児期の赤ちゃんの体の機能や発達の状態と深く関わっています。
まだ未熟な体温調節機能と皮膚の影響
赤ちゃんの体温機能は、大人と違い発達途上で、皮膚表面から熱が出やすく、環境温度や衣服の影響を受けすぎてすぐに体温が高くなってしまう可能性があります。新生児は特に代謝が活発で体温が高い状態を保つ必要がある一方、汗をかいて温度を調節する機能が未熟なため、汗をかいていても大人のように効率よく体温を下げられず、結果として熱がこもりすぎてしまうことがあります。さらに、生後8か月から1年くらいまでは体温調節機能が未熟なことが多く、真冬や真夏などの気温や寒暖差に適応しにくいことがあります。
首の温度が重要な理由
赤ちゃんの体温は、測る時の環境や体の状態によって変化しやすいため、「どこを目安にすればいいんだろう…」と悩んだりしますよね。そんな時は、首や背中をそっと触ってみるのも、赤ちゃんの体が熱を溜め込んでいるか、汗をかいていないかを見るよい方法の一つです。そして、首の温度が熱すぎたり、汗をかいて湿っていたりする時は、着せすぎや環境温度が高い可能性を考えてあげると安心です。「あ、ちょっと暑かったかな?」と気づけるだけで十分なんですよ。それから、手足は少しくらい冷たかったり温かかったりするのが、正常な体温調節の変化であることも知っておくと、過度な心配をしすぎずに済みます。「手足が冷たい!大丈夫かな?」と焦りやすいところなんですが、これも成長の中で自然に起こるものなので、ゆったり見守ってあげてくださいね。
正確に体温を測るコツと測り方(体温計の選び方も紹介)

体温を測る時、正確な測定方法を知っておくことは、発熱か平熱かの判断をする上で必要な基礎知識です。
赤ちゃんに合った体温計を選ぶ
体温計には、電子体温計、耳で測る式、皮膚に触れない非接触式など、一覧で紹介されるほど種類が多いです。新生児や1歳前の赤ちゃんの体温を測る時は、わきの下で測る体温計を使うのがおすすめです。水銀式は使われなくなり、短時間で測れる体温計が多く出ていますが、医師が診療で使う体温計と同じ方法で測ることが、体温情報を正確にするコツです。耳で測る方法も便利ですが、測定時に耳の中の角度が少し変化するだけで温度が大きく変化する可能性があるため、注意が必要です。
正しい測り方とコツ
測る前には、赤ちゃんが興奮しすぎていないか、汗をかいていないかを確認し、環境温度が適切か気にかけましょう。授乳の直後や寝ている間、泣いた後などは、体温が変化しやすい時なので注意が必要です。体温測定は、私たち大人の基礎体温を測る時と同じで、できるだけ赤ちゃんの状態が安定したタイミングで測ることが大切です。
【体温測定のコツ】
1.測る時間
朝すぐや寝る前など、毎日同じ時間に測ると平熱の目安を知るのに役立ちます。授乳後や遊んだ後は、体温が高くなりすぎることが多いので、このタイミングで測るのは避けましょう。
2.わきの下
体温計の先をわきのくぼみにしっかり入れ、体に密着させて測ることが、正しく測定するコツです。赤ちゃんが動きやすい時は、体を動かしすぎないように、そっと優しく押さえてあげる必要がある時もあります。
3.測定時間
短い時間での測定は不正確な可能性があるので、体温計の設定時間どおり測って、よい状態かどうか確認しましょう。正確な体温を知ることは、とても大切です。
首の温度が目安!赤ちゃんの平熱を知る方法と環境設定

赤ちゃんの平熱は大人より高いことが多いので、我が子のいつもの体温を知っておくことが大切です。首や背中の温度は、体温調節がうまくいっているかの目安を探す時に役立ちます。
平熱を探すための測定記録と環境の影響
朝一番と寝る前に体温を測る習慣をつけて、体温の変化を一覧で管理しておくと、ちょっとした変化にも気づけて安心ですよ。新生児は体温変化が多いので、時間の間を見ながら測ってあげるのもよいでしょう。赤ちゃんの体温は外環境の影響を受けやすく、室温や気温によって少し高くなったり低くなったりすることがあります。だからこそ、環境設定を見直すことも体温管理の大切な方法です。夏場に外気温が高い時や、冬場に室内の温度が高すぎる時は、特に気をつけてあげてくださいね。
衣服と寝具による調節のコツ
手足が少し冷たいくらいがちょうどよい状態の時も多いので、手足の温度だけで判断しないよう注意しましょう。頭に汗をかいていたら、着せすぎや室温が高い可能性があるので、適切に調節する方法を考えてあげてくださいね。また、赤ちゃんの首や背中に汗を感じたら、衣服を少し脱がせたり、寝間着や寝具を薄くしたりして、温度が上がりすぎないように気温や室温に気をつけましょう。赤ちゃんは体温調節が未熟である一方、寝ている間も体温が変化しやすいため、様子を見る必要があります。
熱が高い!発熱時の対応と病院へ相談する判断基準

赤ちゃんが発熱すると、頭や体が熱く感じられて、心配になってしまうことがありますよね。熱が高くて機嫌が悪い時や、「いつもと違うかも…」と感じるような症状がある時は、早めに医師へ相談してあげると安心です。
家庭での初期対応と水分管理
発熱している時は、体を冷やしすぎないように気をつけながら、赤ちゃんの体温調節を少しだけ助けてあげる方法が役立ちます。頭や首、わきの下など、太い血管が通っている場所をやさしく冷やしてあげると、少し楽になることもあります。高熱でつらそうな時は解熱薬を使うこともありますが、使ってもまた時間がたつと発熱することもあるので、慌てなくて大丈夫です。授乳や水分補給は、いつもより少しこまめに行ってあげてください。とくに低月齢の赤ちゃんは、睡眠が優先されて授乳を忘れてしまうこともあるので、授乳の間隔が3時間以上空かないように意識してあげると安心です。授乳の時間や量を管理しすぎず、赤ちゃんが欲しがる様子を見ながら進めていく方法がおすすめです。脱水を防ぐためにも水分補給はとても大切で、下痢がある時などは、電解質を含む飲料を取り入れてあげるのがよいでしょう。
受診の目安と医師への相談のコツ
発熱の症状以外にも、機嫌や様子が普段と違う変化がある時は、病気の可能性も考えられます。熱の温度だけでは判断しすぎず、医師へ相談する目安を知っておきましょう。
【受診・相談の判断基準(例)】
新生児期(生後1か月前まで)の発熱(38℃以上)の時。
・熱が高く、体温が測定以上に上がりすぎて、機嫌が著しく悪い状態。
・嘔吐や下痢など、脱水が心配な症状がある時。
・授乳や水分補給が全くできない様子の時。
・手足の色が悪く、体の状態が急激に変化した時。
・熱が5日以上持続する場合は、川崎病を疑う必要があります。
・下痢や嘔吐を伴う場合は急性胃腸炎のこともありますが、まれに髄膜炎を来していることがあります。(髄膜炎は、新生児・乳幼児期で5歳未満に発生頻度が高い重篤な病気です。)
小児科の先生に相談するときのポイント
小児科の先生に相談する際は、
・いつから熱が出たか
・体温計で測った温度
・授乳状態
・機嫌
・他の症状(汗の量、咳など)
を一覧で伝えられるように準備しておくとスムーズです。また、病気の兆として熱を見ることも、時間の管理も大切です。発熱に鼻水や咳を伴う風邪の症状が圧倒的に多いですが、まれに他の病気のこともあるので注意が必要です。
赤ちゃんの体温調節を助ける育児のコツと注意点

赤ちゃんの体温調節をサポートする育児のコツは、環境管理と衣服調節がとても大切です。衣服の選び方と調節では、赤ちゃんは大人よりも一枚ほうがよいと言われますが、着せすぎてしまうと熱がこもる原因にもなります。首の後ろをそっと触って、汗をかいていないか、熱すぎないかを確認する方法が役立ちます。
【体温調節のコツ】
赤ちゃんの体温調節をサポートするためには、環境の管理と衣服の調節がとても大切です。衣服の選び方としては、赤ちゃんは大人よりも一枚少ないほうがよいと言われますが、着せすぎてしまうと熱がこもりやすくなります。首の後ろをそっと触って、汗をかいていないか、熱すぎないかを確認する方法を使ってあげると安心です。
「頑張らない」育児と親の心
子育てって、どうしても完璧を目指したくなるんですけど、そうすると気持ちがしんどくなっちゃう時がありますよね。赤ちゃんって、大人よりもずっと日々の変化が大きいものです。体温を測るタイミングも、授乳の時間も、「絶対こうしないといけない」という考えに縛られすぎなくて大丈夫です。人間は機械じゃないので、体調や気分で毎日変わるのは当たり前なんです。授乳のことでよく「3時間ごとに必ずあげないといけない」という情報を見ることがありますが、これはママのおっぱいの状態や赤ちゃんの個性によっても変わってきます。だから、赤ちゃんが欲しがるタイミングを大切にしてあげる、そんな柔軟さもすごく大事です。完璧を目指す必要はありません。「これでいいかな」「今日はこんな感じでやってみようかな」くらいの気持ちで十分です。ママやパパが穏やかに過ごせることが、赤ちゃんの幸せにもつながります。
体温が低い時の注意。大人と子どもの体の変化の違い

赤ちゃんの体温が低い時も、注意が必要な症状の一つです。
低体温の可能性と体温調節の難しさ
赤ちゃんの体温が低い状態のときは、室温が低すぎたり、病気が隠れている可能性もあります。新生児期はとくに体温調節がまだ上手ではないので、低体温になりやすい時期なんです。それに、赤ちゃんは大人みたいに寒いとブルッと震える反応が出にくいこともあるので、見た目だけでは分かりにくいこともあります。だからこそ、体温と様子をやさしく見守ってあげることが大切です。
適切な対処方法
もし体温計で低い温度が出た時は、まずは赤ちゃんの手足をそっと温めてあげたり、衣服を一枚増やして様子を見る方法を試してみてください。抱っこして、肌と肌がふれる時間を少し増やすのも、とても効果のある方法です。授乳をして体の内側から温めてあげることも大切。それでも体温がなかなか回復しない時は、小児科の先生に相談して診てもらいましょう。低い体温が続く場合は、何か対応が必要なこともあるので、専門家に相談して安心につなげていくのがおすすめです。
知るべき赤ちゃんの体温の真実

育児の情報って、本当にたくさんあって、「どれを信じたらいいの…?」って迷う瞬間がありますよね。そんな時、小児科の先生が監修している情報を知っておくと、ママやパパの安心につながります。
知識も大事。でも、いちばん大切なのは「愛情」です
赤ちゃんの体温を見るときも、授乳のリズムを考えるときも、まず大事なのはママやパパが笑顔でいられることなんです。保育の現場でも感じますが、赤ちゃんって大人の表情や声、ぬくもりにすごく敏感で、そこから安心をもらっています。もちろん知識は大切ですが、頑張りすぎて疲れちゃうよりも、「子どもが愛されているって感じられること」のほうが、赤ちゃんの自己肯定感や心の成長にずっと大きな力を持っています。
乳児期(0〜1歳半ごろ)は、体だけじゃなく心もぐんぐん育つ時期です。この頃に「安心できる場所」がある経験が、チャレンジする力や自己肯定感につながっていきます。そして、心配なときは一人で抱えなくて大丈夫。小児科や相談窓口に頼っていいんです。専門家は赤ちゃんの体の状態をしっかり見て、必要な情報をわかりやすく教えてくれますから。
最後に、自分を褒めて!

毎日育児をがんばっているママやパパ、本当におつかれさまです。体温管理ひとつだけでも、知識を調べるのってすごく大変なんですよね。それでも一生懸命に向き合っている自分自身の努力を、「よくやってる」と具体的に褒めてあげることは、次のがんばりにつながります。つらい時や余裕がない時は、無理に完璧を目指さなくて大丈夫です。今日の自分のことを「これでいいんだ」と認めてあげてください。赤ちゃんのためにも、ママやパパ自身がご機嫌でいられる方法を見つけることこそが、育児の大切なコツだと私たちも感じています。そして、親が笑顔で子どものお世話を続けるためには、休憩する時間だってとても大事。どうか、自分にもやさしく過ごしてください。
今日のコラムが、少しでも心の荷物を軽くしたり、新しい視点のヒントになればうれしいです。 次回もぜひ読みに来てくださいね。
仁和会 理事長 松屋哲雄





